長野県木曽町内では降灰が続き、道路清掃車が出動し清掃にあたった=28日(早坂洋祐撮影)【拡大】
「出荷に向け指導」
降灰による農業への影響も懸念されている。
昭和54年10月に御嶽山が水蒸気爆発を起こした際は二十数万トンの火山灰などを噴出したとされる。長野県の旧開田村(現木曽町)では、収穫期を迎えた野菜が灰をかぶり、被害面積は約150ヘクタールに上ったとの記録がある。
県は28日、御嶽山の麓にある木曽町と木祖(きそ)村で、白菜畑約18ヘクタールに火山灰が降ったことを確認し、現地で被害状況の調査を実施した。
木曽町では、町で収穫する白菜を「御嶽はくさい」と名付けてブランド化し、関西を中心に高級漬物用として出荷している。
木曽農業改良普及センターによると、白菜の収穫期は7月から10月。木曽町と木祖村にある白菜畑約75ヘクタールのうち、4分の3程度はすでに収穫済みだが、収穫前の残りの白菜は、火山灰をかぶって葉の間に灰が入り込んだ。
JA木曽には、組合員から「灰が付いた農産物は、どういう状態なら市場に受け入れられるのか」などの問い合わせが寄せられた。これを受け、職員は個別に農家を訪問。水で灰を洗い流すなど出荷できる状態にするための指導を行っている。ある職員は「畑に覆いをかぶせるなどして、これ以上被害を大きくしない対策を取りたい」と話した。