東京電力福島第1原発の廃炉作業で、東電は31日、1号機原子炉建屋カバーの撤去に向けた放射性物質の飛散防止効果を確かめるため、試験的に屋根の一部を取り外した。東電は周辺の放射線量を監視しており、現状で変化はないという。水素爆発後、がれきが散乱する建屋上部が姿を見せたのは、約3年ぶり。
取り外したのは、幅約7メートル、長さ約42メートルのパネル。屋根はパネルを6枚並べた構造で、遠隔操作のクレーンを使って約1時間かけて作業を終えた。
東電は10月22日から屋根の部分に穴を開け、飛散防止剤を散布する作業を続けてきた。監視を約1カ月間続けて飛散していないことが確認できれば、外したパネルを戻し、来年3月にカバー撤去作業を本格的に始める。
建屋カバーの撤去は、燃料貯蔵プールから燃料棒392体を取り出すための準備作業。廃炉工程では、カバー撤去後に建屋上部のがれきを取り除き、燃料取り出し用のクレーンを設置する。東電は10月30日、プールからの燃料取り出し開始について、当初想定していた平成29年度前半から31年度に2年遅らせる工程を示した。