「島が乗っ取られる」中国密漁船に囲まれる小笠原…ゴミを投げ捨て生態系破壊 (3/4ページ)

2014.11.14 08:35

海上保安庁の巡視船「するが」を前に、サンゴ密漁用とみられる網を引き上げる中国漁船の乗組員=9日午前、小笠原諸島・父島南の領海内(大山文兄撮影)

海上保安庁の巡視船「するが」を前に、サンゴ密漁用とみられる網を引き上げる中国漁船の乗組員=9日午前、小笠原諸島・父島南の領海内(大山文兄撮影)【拡大】

  • 領海内から逃走を図る中国漁船。偽装のためか、船首には日の丸が掲げられていた=9日午前、小笠原諸島・父島南の領海内
  • サンゴを密漁中の中国漁船(手前)は黒煙をはきながら、海上保安庁の巡視船「するが」から逃走した=9日午前、小笠原村父島南の領海内(大山文兄撮影)

 現時点で客足に影響はないというが、小笠原村観光協会には観光客から「大丈夫か」との問い合わせもある。同協会の磯部純子さん(40)は「危険という印象で敬遠される風評も懸念される。しかし貴重な海がどうなるのか。自然を壊す行為は一刻も早くやめてほしい」と訴える。

 小笠原諸島には約30年前にも苦い経験があった。台湾漁船が大挙押し寄せ、同じようにサンゴが奪われた。魚が集まるのはサンゴの周辺。台湾漁船に奪われてしまった結果、周辺海域ではハタやヒメダイなどの根魚が激減した。

 途方に暮れた漁師らは、打開策として新たな漁を模索した。独自に発展させた回遊魚のメカジキ漁だ。地元の漁師らが、こぞってメカジキ漁に特化したおかげで、激減した根魚は徐々に増え始め、サンゴも回復する好循環を生んだ。

 小笠原島漁協の昨年の水揚げは過去最高の4億円を突破。漁協参事の稲垣直彦さん(56)は「せっかく良くなってきたのに…。すべて台無しにされた。この先、どうなるのか」と頭を抱える。

魚やサンゴはどこで獲ったのか、立証するのが難しい

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