「和紙」無形文化遺産に 和食に続き、ユネスコが登録決定

2014.11.27 06:59

26日、パリで開かれたユネスコの政府間委員会に出席する日本の代表団ら(共同)

26日、パリで開かれたユネスコの政府間委員会に出席する日本の代表団ら(共同)【拡大】

  • 無形文化遺産への登録が決まった本美濃紙の製作(文化庁提供)

 文化庁に27日入った連絡によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、フランス・パリのユネスコ本部で政府間委員会を開き、日本政府が推薦した「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めた。昨年の「和食」に続き2年連続の登録決定で、文化庁では「日本の文化や伝統工芸の水準の高さを国際社会にアピールする原動力にしたい」と期待している。

 今回登録された「和紙」は、国の重要無形文化財に指定されている「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)と「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町、東秩父村)の3紙の技術で構成。職人らでつくる保存団体が、原料にクワ科の植物である「楮(こうぞ)」の樹皮のみを用いる伝統的な製法を守り伝えている。

 このうち、石州半紙は平成21年に登録済みだが、政府は25年、本美濃紙と細川紙を加えた「和紙」の技術として登録し直すよう拡張提案。ユネスコの補助機関が事前審査を行い、無形文化遺産に登録するよう今年10月に勧告していた。

 文化庁によると、政府間委員会では、丈夫で柔らかい和紙の特質だけでなく、(1)後継者の育成(2)学校での体験事業(3)楮の栽培促進-など地域で保存活動が進められていることも、高く評価されたとみられる。

 無形文化遺産は「世界遺産」や「記憶遺産」と並ぶユネスコの遺産事業の一つで、11月25日現在、世界で281件が登録。日本では「能楽」「歌舞伎」「京都祇園祭の山鉾(ぼこ)行事」など22件に上る。

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