■国際石油開発帝石・事業企画ユニットシニアコーディネーター 安達正畝氏
純国産で安定出力が可能な地熱発電。日本は世界3位の資源量を持つが、開発の困難さなどから現在の主要な地熱発電所は17カ所、認可出力は51万キロワット程度にとどまり、今世紀に入って新規稼働はない。30年以上、地熱発電にかかわってきた国際石油開発帝石事業企画ユニットの安達正畝シニアコーディネーターは、一昨年から始まった固定価格買い取り制度(FIT)の対象となったことなどで、「導入拡大の起爆剤になり得る」と強調する。
--地熱開発が進まなかった理由は
「開発期間が10年以上と長く、1カ所当たりの初期投資が数百億円かかるにもかかわらず、公共料金の電気事業のためリターンが低く、民間事業者にとっては困難だった。ほかにも、温泉事業者の反対や自然公園内の開発規制、さらには国の支援が減ったことなどだ」