人質解放の交渉中は政権への協力姿勢を示していた野党が、今後、危機管理体制や交渉プロセス等の検証を本格化する。政権としても引き続き楽観はできないが、いずれにせよ、政治家がさまざまな言動をする際に“地雷を踏まない”よう、冷徹に計算をして細心の注意を払って決断をすることは極めて重要だ。
「政策のプロ」はいても「政治のプロ」というのは本当にいるのか、という疑問がたまに投げかけられるが、私が思うに、「政治のプロ」とは、“ババ”を引かない冷徹な判断・決断が一瞬にしてできることだと思う。ある行動を「する」「しない」の決断はもちろん、同じ言動でも、タイミングや言葉遣い等で世論の風向きが大きく変わることがある。
民意や政策動向を正しく読んで「三つの断」、すなわち、正確な情報を幅広く収集し(油「断」せずに情報収集)、正しい段取りで判「断」し、スピードをもって決「断」して言動するかどうかが重要となる。
元陸上選手の為末大氏によれば、「速」さが鍵の陸上選手と、状況に即した「早」い判断が大切なサッカーやバスケの選手では、求められる資質が異なるという。そして、後者における「素人」と「プロ」のスピードの違いは、パスの出し方が典型だが、素人が「全部を見て確信をもって」行動するのに対し、プロは「急所を見て大体の判断で」行動することだという。つまりは「目付」(どこを見て全体をとらえるか)の違いとのことだ。