【電力考】原発 「政治・経済条項」が「真の安全条項」 (3/3ページ)

2015.2.16 05:00

石川和男氏

石川和男氏【拡大】

  • 東北電力東通原発の敷地内断層に関する原子力規制委の有識者調査団の会合=2014年12月22日、東京都港区

 (5)バックフィットの適正化 制度変更後の基準に適合するよう既存の施設や設備を改造することをバックフィットと言う。規制委・規制庁は“田中私案”と称される法的根拠のないメモに書かれたことを以て、全ての原発に一律・全面的にバックフィットを義務付けている。その結果が、今の“原発ゼロ”。これは世界的にも異常事態である。グローバルスタンダードに沿って発電再開を早期に容認し発電しながら安全確認と安全性向上を図るという合理的な審査ルールを明文化すべきだ。

 ◆ヒト・モノ・カネが必要

 以上5項目は、いわば「政治・経済条項」。規制当局が基準に沿って判断する際、科学的・技術的な見地から行われるのは当然で、そこに政治・経済的視点での介入があってはならない。だが、規制の水準や運用方法に関しては政治・経済的視点から一定のルールが必須になる。与党にはぜひ御一考願う。

 例えば、基準審査に標準処理期間を設定しておくことは、原発の出処進退を円滑に決定する上で重要だ。安全に稼働を継続するか、安全に廃炉工程に入るか、いずれにも必要なヒト・モノ・カネの準備を万全にする必要があるからだ。政治・経済条項こそ、真の安全条項として必置である。

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【プロフィル】石川和男

 いしかわ・かずお 東大工卒、1989年通産省(現経済産業省)。各般の経済政策、エネルギー政策、産業政策、消費者政策に従事し2007年退官。09年東京財団上席研究員、政策研究大学院大学客員教授など歴任。11年から現職。1965年福岡県生まれ。

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