【飛び立つミャンマー】根本敬・上智大学教授の「ビルマ考現学」(5) (3/3ページ)

2015.6.5 05:00

タイで開かれた不法移民に対する特別会議で発言するミャンマー政府代表。ミャンマーはロヒンギャという民族名も認めていない=5月29日、バンコク(AP)

タイで開かれた不法移民に対する特別会議で発言するミャンマー政府代表。ミャンマーはロヒンギャという民族名も認めていない=5月29日、バンコク(AP)【拡大】

 そうなると、現ミャンマー政府がいうとおり「不法移民集団がそのまま居座った」にすぎないのだろうか。歴史はそこまで単純ではない。ラカイン州には15世紀から18世紀までアラカン王国という独自の王国が栄え、そこには仏教徒のほかに多くのムスリム住民も平和的に共存していた史実がある。19世紀に入って英領化されると、ベンガル方面から大量の移民が流入し、さらに第二次世界大戦後には前述の大量移民が重なった。このように3重の層を有するこの地域のムスリムたちのうち、誰がどのように混ざってロヒンギャ・アイデンティティーを持つに至ったのか、まだ誰にもその真相は見えていない。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。