【電力考】国産「ウラン濃縮」技術 消滅の可能性 山崎康志・ジャーナリスト (2/3ページ)

2015.6.8 05:00

青森県六ケ所村の日本原燃のウラン濃縮工場(同社提供)

青森県六ケ所村の日本原燃のウラン濃縮工場(同社提供)【拡大】

 日本原燃は年1050トンSWUのウラン濃縮工場を保有していたが、老朽化に伴い、1990年代半ばから新型遠心分離機の開発を進めてきた。当初、それを担ったのは東芝、日立製作所、三菱重工業の3社。しかし、3社の新型遠心分離機はトラブルが頻発、国の補助金も途絶え、一時は「濃縮ウランは海外から調達すればよく、高コストの新型機開発に意味があるのか」と、国産化を否定する声も上がった。

 窮した日本原燃は、優れた要素技術をもつ全国の中小企業を糾合し、2000年から独自開発に乗り出す。その成果が1050トンSWUのうち、75トンSWU分の更新を担って10年1月に事業許可を取得した現在の新型遠心分離機である。さらに375トンSWU分の本格更新へ事業許可を得ようとしていた矢先、東日本大震災が発生したのだ。

 ◆進まぬ規制委の安全審査

 日本原燃は規制委による新たな安全基準の策定を待ち、13年5月、ようやく安全審査を申請した。新基準は万一、ウラン濃縮工場に事故が発生しても、一般公衆の被曝(ひばく)量が年5ミリシーベルト以下にとどまる設計を義務付けている。もっとも、原発と違い、未臨界のウランを扱う同工場が5ミリシーベルトを超える被曝事故を起こすことはまずない。しかし、原子力関係者は続ける。

 「問題は化学毒の影響だが、その安全審査は着手されていない。というより、規制委に安全基準自体がない」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。