ラサ旧市街の中心にあるジョカン寺(大昭寺)でも屋根の上で国旗が風にはためいていた。ジョカン寺を取り囲むバルコル(八角街)を歩くと、土産物店の屋上や窓に掲げられた国旗が目に入る。実に多い。
近郊の2つの寺院、セラ寺とデブン寺では、寺院そのものの屋上に国旗は見られなかったが、寺院の管理事務所の建物などには国旗が立てられていた。
ラサに1週間滞在して北京に戻った。北京の中心を東西に走る長安街を、国旗がないかと探しながら歩いてみた。北京に住んだこともあるが、国旗がないかと探しながら北京の街をながめたのはこれまでになかったことだった。
北京ではビルの屋上に国旗は見当たらなかった。天安門広場をはじめ、政府機関や一部の銀行やホテルなど、国旗掲揚台を設けているところでは国旗が掲げられていた。だが、国旗はそれほど目立たない。ラサとは大違いだ。
チベット自治区のトップである自治区共産党委員会の書記、陳全国は今年4月、すべての寺院に国旗を掲げるよう呼びかけている。そのことを帰国してから知った。(敬称略)