特許庁審判部がある虎ノ門JTビル。PBPC記載に伴う不可能・非実際的事情に関する出願人の立証は特許審査のほか特許庁の審判事件も対象となる=東京都港区【拡大】
ただし、不可能・非実際的事情については「出願人による主張・立証の 内容に基づいて判断する」「発明の属する技術分野における技術常識も考慮する」「(審査官に)合理的な疑問がない限り、不可能・非実際的事情が存在するものと判断する」とした。この審査方針の適用については現在出願・審査中の案件や今後の出願・審査案件だけでなく、特許庁で係属中の審判(既に成立した特許権の効力などに対する訴えの審理)事件、今後請求される審判事件なども対象となる。
「現状では、不可能・非実際的事情について特許庁の判断がどうなるかよく見えていない」(都内特許事務所のベテラン弁理士)という声も聞かれるが、審査基準WGは具体例を充実するよう求めており、特許庁では今後、事例の提示に努め、審査官だけでなく出願人の理解を促していく考え。なお正式な審査基準改訂は10月上旬の予定だ。(知財情報&戦略システム 中岡浩)