東洋ゴム工業の免震装置ゴムのデータ改竄(かいざん)問題で、原因究明や再発防止策などの検討を進める国土交通省の有識者委員会は29日の会合で、建築設備や建材に関する国の認定制度の見直しを提言した報告書をまとめた。安全上重要な製品の性能試験を行う際に審査担当者が立ち会うことを含む現地検査の実施や、必要に応じた国による立ち入り検査の実施などを求めた。
報告書では不正が行われた背景について、「先行他社に追いつくため、拙速に開発を進め、開発途上の段階で国の認定を取得し、認定不適合品を出し続けた」と批判。担当者の規範意識の欠如、チェック体制の不備などが問題の拡大に拍車をかけたとしている。
一方、現行の認定制度については「申請者自身が作成した試験データに基づく書面審査のため、意図的な不正を見抜くことが困難だった」と、“性善説”に基づいた仕組みが機能していなかったことを指摘した。
今後は免震材料など利用者の安全に直結する製品について、審査を担当する民間の性能評価機関が現地に赴き、性能試験に立ち会うほか、品質管理責任者が製造部門から独立して選ばれているかなどを確認。過去に不正があった企業の場合は試験項目や調査するサンプル数を増やすなどする。
また、認定後の製品出荷段階でも、認定時の試験データなどと突き合わせる形で品質を再確認し、疑念が生じた場合は国が直接立ち入り調査をするとした。
同委員長の深尾精一・首都大学東京名誉教授は会見で「顧客の安全に直結したものを扱っているという認識を持てる仕組みのもと、製品が製造されるようにしてほしい」と語った。
同省によると、今回問題となった免震装置については、年内から報告書に即した対応を始めるという。