国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、業務停止命令の行政処分の文書を受け取る化学及血清療法研究所(化血研)の宮本誠二理事長(左)=8日午後、東京都千代田区の厚労省(伴龍二撮影)【拡大】
「国策」で保護
これに対し、厚労省としての医薬行政のあり方を問う指摘もある。血液製剤の主要メーカーは、化血研を含めて国内3社のみ。国は薬害エイズの反省から平成15年以降、原料を原則、国内献血として血液の配分方法を決めるなど「国策」として事実上の保護下に置いてきた。原料となる血液が限られるため利益につながりにくく、新規参入へのハードルが高いことも背景にある。化血研の第三者委員会はこうした寡占状態が「おごり」を招いたと指摘した。
ワクチンも同様で「通常の医薬品と比べ有効期限が短く、作るのに数カ月以上の時間が必要。定期接種化されないと市場の見通しがたたず、公的政策の影響も受けやすい」(日本ワクチン産業協会)という特殊性を持ち、主要メーカーは限定される。
厚労省は近く、有識者を交えた作業部会で、業界の生産体制のあり方などを議論する。だが、厚労省では「製造会社の数に正解はないが、安全性と安定供給を考慮すると結局、一定の寡占はしようがないのでは」(中堅職員)との意見が支配的だ。
自転車操業
一方、化血研の不正により、現在、安全確保と安定供給はいずれも不安定な状態を余儀なくされている。