独自開発したシャープのサイクロン式掃除機。多岐にわたるシャープの特許群は鴻海の可能性を広げる【拡大】
一方、「シャープ」の世界的な企業ブランドに着目しているのは企業買収などで知財評価を行うIP Valuation特許事務所(同港区)の松本浩一郎弁理士だ。「世界中の消費者の間で通用する企業ブランドを自力で一から構築するには、どんなに費用をかけても相当な時間がかかる」からだ。スピード経営重視の鴻海には難しく、ブランド構築の時間を買うわけだ。
ただ企業ブランドも技術力があってこそ継続できる。シャープに特許や技術者は今も残っているのか。松本氏は「全ての特許権などは工場財団として抵当に入っているはずで、切り売りは容易でない。つまり売っていないと考えられる」と言う。問題は技術者だ。重要な発明をした技術者の特定は可能だが、その人物の在籍は企業にしか分からない。リストラなどで核となる技術者が抜けていれば研究開発力は落ちてしまったことになる。
20日は鴻海の42回目の設立記念日。それまでに何らかの発表があるのではとの観測もあるが、どうなるのか。(知財情報&戦略システム 中岡浩)