【視点】岐路に立つもんじゅ 規制委の要求には「解」がない (3/3ページ)

2016.2.16 05:00

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 もんじゅをめぐる問題の最大の難しさは、プルトニウムを扱う高速増殖炉であるがゆえに、事は日本のエネルギー戦略にとどまらず、世界の安全保障と不可分に深く関わっている点にある。

 もんじゅが廃炉になれば、18年に30年満期を迎える日米原子力協定の継続も微妙なものとなろう。打ち切られると使用済み燃料の再処理は不可能になり、日本の原子力エネルギー政策の根底が崩れ去る。

 規制委は一種の聖域に土足で踏み込んだ感がある。

 本来なら安倍晋三首相が注意を喚起すべき局面だが、3条委員会なのでそれができない。昨年9月に規制委を見直す機会があったのだが、支持率低下を嫌ってか、改革を見送った。規制委の権限は強大だ。手をこまねいていれば、全てがむなしく烏有(うゆう)に帰してしまう。

 規制委も無理難題で留飲を下げるかのように、旧動燃のもんじゅをいたぶっているときではないだろう。規制委設置法には本来の目的が「わが国の安全保障に資すること」と規定されているではないか。

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