【東日本大震災5年】燃料デブリ取り出しへ進む技術開発 (2/3ページ)

2016.3.4 05:00

福島第1原発の廃炉に向けつくられた圧力抑制室などの原寸大模型=2月、福島県楢葉町

福島第1原発の廃炉に向けつくられた圧力抑制室などの原寸大模型=2月、福島県楢葉町【拡大】

 圧力抑制室やその回りの空間(トーラス室)にセメントを流し込む案もある。ただ水がたまった広い空間にセメントを行き渡らせることができるかが課題となる。

 IRIDはこうした作業に備え、流動性がありながら水中でも固まりやすいという、相反する性質を持った特殊なセメントを開発した。日本原子力研究開発機構が福島県楢葉町につくった原寸大のトーラス室の模型で近く、実際にセメントを流し込む試験を開始する。

 格納容器の損傷箇所を調べる作業も進んでいる。格納容器には多くの貫通部があり、1号機で157カ所、2、3号機で各172カ所に上る。

 IRIDは大きな損傷はないとみているが、高線量のため調査自体が困難な場所もある。全ての損傷箇所を特定できない場合、格納容器を水で満たすことができなくなる恐れもある。

 ◆模型使い試験

 燃料デブリは一つの塊になっていたとしても、溶けた燃料がジルコニウム合金製の被覆管や格納容器底部のコンクリート、その他の構造物と混ざり、表面と中心などで性質が異なっていると考えられる。

 原子力機構は、燃料のウランに、ジルコニウムなどを混ぜて焼き固めた「模擬デブリ」を作成。実際の取り出しの際にどうやって燃料を切ったり削ったりするのか、機器の開発に向けて試験を繰り返す。

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