組員が捜査員や報道関係者の人数を確認し、霊園周辺の雑木林にまで分け入って突発的な事態に備えて警戒する中、篠田組長は午前9時半ごろ、グレーのスーツ姿で到着。歴代組長の墓石に手を合わせ、「よっしゃー」と短く言葉を発した後は、対立抗争へのコメントを求めるテレビ局の質問には無言のまま霊園を後にした。
捜査関係者によると、篠田組長は昨年8月末の分裂後、ボディーガードを増強し、秋の彼岸の墓参りに姿を見せないなど警戒を強めていた。神戸山口組の勢力拡大が目立ってきた昨年12月以降はこうした方針を転換し、歴代組長の命日の墓参りを積極的に実施してきたが、春の彼岸の墓参りで組長と最高幹部全員が顔をそろえるのは極めて異例という。
山口組の事情に詳しい関係者も「6代目体制になって田岡一雄3代目組長の命日に組長と最高幹部が一堂に集まることはあったが、春の墓参りで顔をそろえるのはおそらく初めてではないか」と指摘。理由については「神戸山口組との抗争が激化する中、トップと組織の存在感をメディアを通して傘下組員らに示したのでないか。組織を引き締めるとともに組員を激励する狙いが読み取れる」と説明する。