【高論卓説】司馬遼太郎 没後20年に想う 誰もが偉大なリーダーになれる (2/3ページ)

2016.3.22 05:00

 もう一つは、特異性と普遍性の統合だ。人物の「特異性」「反時代性」とともに、時代の雰囲気や当時の「志ある人」の心性を一般化して描写している。「我が成す事は我のみぞ知る」と、うそぶいて回天の偉業を遂げた坂本龍馬や、不世出の軍略家である秋山真之などの「傑物たる所以(ゆえん)」を感動的に記す一方で、「一般的な青春に燃える若者」性も、丁寧な時代背景の描写とともにあぶり出している。

 『竜馬がゆく』で、「自分も龍馬になれる」と、志を抱いた政治家は数知れず、『坂の上の雲』で、当時の平均的な軍人・官僚が、いかに真剣に海外などに学び、実践的な仕事をして、「いざ」というときに力を発揮したかを知って反省する官僚も多数いる。

 上述の坂本龍馬や秋山真之、その他、私の好きな河合継之助、高田屋嘉兵衛らは、司馬氏が有名にしたと言っても過言ではないと思うが、特異な才能で特別な業績を残した人を「よくいる青年」化して広く知らしめることに成功していると思う。

 手前みそだが、司馬氏の影響もあって、私が塾頭を務めるリーダー塾では「リーダーとは、肩書きで人の上に立つ特別な“指導者”ではなく、一人でも始める“始動者”のことだ」と教えている。

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