同研究所はマグロ養殖で世界的な成果を出す一方で、16年からアナゴ養殖の研究に着手。アナゴは生態が詳しく分かっておらず、養殖技術は確立されていないが、同研究所は稚魚から成魚に育てることに成功。人工孵(ふ)化(か)には至っていないものの、注目を集めている。
こうしたノウハウを身につけようと、市とともに養殖に取り組むことになった岡田浦漁協職員2人が、研究現場の近大水産研究所富山実験場(富山県射(い)水(みず)市)で、エサの種類ややり方、水温管理の方法などについて指導を受けた。
さらに、漁協の敷地内には、養殖用の水槽10基を設置。3月には、富山から運ばれたアナゴ約100匹を水槽に放流した。放流に合わせたイベントもあり、富山実験場で稚魚から200グラムのサイズに育ったアナゴをかば焼きにして市民に振る舞われた。地元漁師は「こんな大きなサイズのアナゴは泉南ではもうとれない」と驚き、市民らも「肉厚でおいしい」と味わった。