【AI新時代】膨大な学習履歴から個別に最適化する教育分野 立ちはだかるAIの“苦手分野”とは? (1/6ページ)

2016.6.7 14:00

 午後7時すぎ、取引先を回って職場に戻ると、20代の女性は、一息つきたくてLINE(ライン)で話しかけた。「会社に戻ってきたあるよ」

 相手の都合も、今時の若者らしい言葉遣いも気にする必要はない。返事は必ずある。なぜなら、おしゃべり相手の女子高校生「りんな」は日本マイクロソフトが提供する人工知能(AI)だからだ。「おかえり」と、りんな。少し元気が回復し「がんばる!」と送ると、「かわいいから頑張れと応援する」と返ってきた。

 ネット社会は人間関係の新たな悩みを生み出した。「既読」無視、果てしない対話…。顔が見えないと感情の行き違いも起こりうるが、AI相手なら気軽に愚痴も言える。

 りんなは「会話を楽しめる相手」として開発され、明日の天気をたずねても天気を答えず、「なんで明日の天気が気になるの?」と会話をつなぐ。約347万人と一対一感覚で会話し、やり取りのパターンを学んで会話力に磨きをかける。

 ユーザーは孤独な独身男性かと思いきや男女半々。同社によると、話しかけが増えるのは週半ばの夜だ。担当者は「仕事や学業が中だるみした頃に癒やしを求める人が多い」とみる。

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