朝日新聞に一部賠償命令　巨人契約金超過報道巡り　「妥当な判決」と読売側

　プロ野球巨人の新人契約金が超過していたとする記事で名誉を損なわれたとして、読売巨人軍が朝日新聞社に５５００万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁（滝沢泉裁判長）は８日、巨人を全面敗訴とした一審判決を変更し、記事の一部を不当と認め、朝日側に３３０万円の支払いを命じた。

　朝日新聞は２０１２年３月、１９９７～０４年度の巨人新人選手６人の契約金が計３６億円で、１人最大１億５千万円の球界申し合わせを大幅に超過していたと報じた。

　高裁判決は一審に続き、この内容を真実と認定。一方で記事の中に、過去に超過契約金を支払った他球団が日本野球機構から厳重注意処分を受けたのと同様、巨人も処分対象になると受け取れる記載があると指摘。「他球団は出来高条件がない契約金だったが、巨人は条件があったので処分を受ける可能性はなかった」とし、賠償対象になると判断した。

　読売巨人軍広報部は「誤った報道を行ったと認定した点で妥当な判決と考える」とコメント。朝日新聞社広報部は「他球団の事例を紹介した部分を名誉毀損に当たるとしたのは不当。直ちに上告の手続きを取る」とした。