
リオ五輪開会式のリハーサル中、マラカナン競技場で花火が打ち上げられた=7月31日(AP)【拡大】
そして、治安の悪化。政府が29億レアル(約911億円)の緊急支援を行い、12年ロンドン大会の約2倍、8万5000人の警備体制を敷く。しかし、給料の遅配から警察官らのモチベーションが下がり、犯罪組織の摘発は進んでいない。
ロシアの国ぐるみのドーピングの影響はともかく、これらは全てブラジル経済の悪化に起因する。09年の招致成功の翌年は、7.5%もの高い経済成長率を誇っていたが、昨年はマイナス3.8%、今年度も同様に低い。ここ100年で最悪の経済危機といわれている。
国際オリンピック委員会(IOC)は7年前、ブラジルに夢をみた。高度経済成長が続いて市場は活性化、南米に初めて灯(とも)る聖火は五輪運動の未来にも輝かしい足跡を残すと…。
ブラジルもまた、夢をみていた。同国スポーツ省は当時、大会開催が300億ドル以上の経済波及効果をもたらすと豪語していた。しかし、頼りにする中国経済の急激な景気減速と資源価格の急落によって経済基盤が破綻、開催による景気上昇も夢物語となりつつある。