
リオ五輪開会式のリハーサル中、マラカナン競技場で花火が打ち上げられた=7月31日(AP)【拡大】
◆問われる知恵
それでも大会は開く。陽気なサンバの国らしく、きっと楽しくやってのけるのだろう。
74億レアルの運営費を削減、スポンサー協賛金やチケット販売による収入を増やしたいが、難しさが伝わってくる。会場整備費を含めた開催費用は390億レアル。テロ対策次第では費用はさらに膨らむ。開催による政府財政圧迫は、未来に暗い影を落としかねない。
もはや、「オリンピック開催はもうかる」といわれた時代は終わった。開催で何をレガシーとして創出できるか、知恵が問われる状況となってきた。
ロンドンの開催経費総額は約4兆円とされる。一方で、政府と地方自治体、経済界が一体となった海外対応で外国からの投資は拡大。英国文化メディア・スポーツ省は17年までの経済効果を7兆円と見込む。
東京は成功例としてのロンドンの状況を分析、施策に生かす道を探っている。それはいい。約1兆8000億円、いや2兆円、3兆円とも目される開催経費をいかに経済効果につなげていくか、考えることは重要だ。
ただ、リオからも学ぶものは多い。経済の悪化に苦しみながら運営する姿、経費削減、費用圧縮につながる試行錯誤を事例として拾い集める必要を思う。
リオの組織委員会は情報公開が進み、透明性が担保され、政府と州、市、組織委員会の役割分担も東京に勝るという。費用負担の拡大が予想される中、都政をあずかる新知事にはオリ・パラ旗だけではなく、開催都市としてのありようも持ち帰ってほしい。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)