このような新しい知見を生かせば津波災害を減らすことが可能かもしれない。地震で誘発されて、同時多発的に大規模な地滑りが起これば大災害となるが、海底地滑りの原因となる重力不安定堆積物を計画的に多数回に分けて除去すれば津波災害を軽減できる。根絶とまではいかないまでも、例えば最大波高を半分にできれば、格段に被害は減る。深度2~4キロの深海底での作業は容易ではないし、見込み違いも起こるだろうが、津波となれば甚大な被害となる。津波被害の予防的軽減に向けて、科学技術の力で今こそ真剣に取り組むべきだと考える。
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【プロフィル】戎崎俊一
えびすざき・としかず 独立行政法人理化学研究所戎崎計算宇宙物理研究室主任研究員 東大院天文学専門課程修了、理学博士。東大教養学部助教授などを経て、1995年より現職。専門は天体物理学、計算科学。