悲哀と自虐、句に重ね30年 「サラ川」今年はゆとりVSバブル (2/4ページ)

2017.5.23 06:03

第30回サラリーマン川柳
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 ブランドは 見るもの聞くもの 貰うもの

 続く90年代前半、日本を「バブル崩壊」が襲った。「投資の失敗や不景気を嘆く句が多く、後悔、諦め、自虐がにじむ傾向があった」(藤代氏)。終身雇用と年功序列のルールが崩れ始め、サラリーマンには厳しい時代だった。

 夢さめて 株式欄を 避けて読む

 90年代後半~2000年代前半は外食や流通業界で「価格破壊」が起きた「デフレ経済」の時代。消費税率5%への引き上げなどで日本経済は苦境に立たされた。携帯電話とパソコンが欠かせない仕事道具となり、業務効率化に向け「IT革命への期待も高まった」(藤代氏)。

 ノー残業 お持ち帰りで フル残業

 2000年代半ば~12年は「金融危機前後」。日銀が量的緩和とゼロ金利政策の解除に踏み切った後、リーマン・ショックの余波で日本は再び景気後退に入る。「サラリーマンの開き直りを感じる句が多かった」(藤代氏)。

 「デフレなの」 小遣い減らし 妻ニヤリ

 最後は13年に始動した「アベノミクス」の時代。企業業績は過去最高水準に達し、失業率は低下するなど、日本経済の復活が意識されるようになった。ただ、「給与や小遣いが追いつかず、不安や嘆きが多く詠まれた」(藤代氏)。

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