
第30回サラリーマン川柳【拡大】
ブランドは 見るもの聞くもの 貰うもの
続く90年代前半、日本を「バブル崩壊」が襲った。「投資の失敗や不景気を嘆く句が多く、後悔、諦め、自虐がにじむ傾向があった」(藤代氏)。終身雇用と年功序列のルールが崩れ始め、サラリーマンには厳しい時代だった。
夢さめて 株式欄を 避けて読む
90年代後半~2000年代前半は外食や流通業界で「価格破壊」が起きた「デフレ経済」の時代。消費税率5%への引き上げなどで日本経済は苦境に立たされた。携帯電話とパソコンが欠かせない仕事道具となり、業務効率化に向け「IT革命への期待も高まった」(藤代氏)。
ノー残業 お持ち帰りで フル残業
2000年代半ば~12年は「金融危機前後」。日銀が量的緩和とゼロ金利政策の解除に踏み切った後、リーマン・ショックの余波で日本は再び景気後退に入る。「サラリーマンの開き直りを感じる句が多かった」(藤代氏)。
「デフレなの」 小遣い減らし 妻ニヤリ
最後は13年に始動した「アベノミクス」の時代。企業業績は過去最高水準に達し、失業率は低下するなど、日本経済の復活が意識されるようになった。ただ、「給与や小遣いが追いつかず、不安や嘆きが多く詠まれた」(藤代氏)。