「原発に爆発物装着のドローン侵入」想定でテロ訓練 伊方原発で全国初の実施

テロ訓練で四国電力伊方原発3号機(奥)周辺を飛行する小型無人機「ドローン」=19日午前、愛媛県伊方町
テロ訓練で四国電力伊方原発3号機(奥)周辺を飛行する小型無人機「ドローン」=19日午前、愛媛県伊方町【拡大】

  • 伊方原発3号機周辺へのドローンの侵入を想定したテロ訓練で、沖合の不審ボート(下)に接近する警察船(中央)と巡視船=19日午前、愛媛県伊方町
  • 伊方原発3号機(後方)周辺へのドローン侵入を想定したテロ訓練で、爆発物に見立てた黒い箱を処理する愛媛県警の爆発物処理班=19日午前、愛媛県伊方町

 愛媛県警と松山海上保安部は19日、四国電力伊方原発(同県伊方町)で、爆発物を取り付けた小型無人機「ドローン」が、沖合から3号機周辺に飛来、侵入したと想定し、テロ対応の合同訓練を実施した。

 県警によると、原発でのこうしたテロ訓練は全国初という。

 訓練は県警や松山海保、四国電から計約60人が参加。

 ドローンは、3号機周辺に爆発物に見立てた黒い箱を降ろして離陸、沖合の不審ボートに帰還したとの想定で、県警の爆発物処理班などが黒い箱を処理した。ボートには、松山海保の巡視船が汽笛を鳴らしながら停止命令を出し接近。警察の船とともにボートへの立ち入りまでの手順を確認した。

 八幡浜署の村瀬秀人警備課長は「厳しいテロ情勢を踏まえ実施したが、想定外をいかに想定するかが重要。今後も関係機関とさまざまな訓練をしていきたい」と話した。

 四国電は、航空機を衝突させるなどのテロを受けた場合の「特定重大事故等対処施設」の建設を計画。昨年8月に再稼働した伊方3号機での設置許可を原子力規制委員会に申請している。