野村達雄氏【拡大】
これでは現実と仮想現実のミックスではなく、ただの仮想現実。行き詰った野村氏を救ったのが、エンジニアとアーティストを兼任する社員が週末に作ったデモだった。それはカメラとジャイロセンサーを駆使したもので、パノラマ写真を使うより遥かにシンプルなものだったが、開発チームは「これでいける!」と沸き立ち現在のポケモンGOの姿が固まったという。
「基礎的な、まったく大したことないテクノロジーなのに実際にやってみるとこんなにも効果的なのかと思った」
野村氏は驚きを振り返るとともに反省も口にした。「簡単な物ならすぐ作れるので、やってみる。それから判断すればいい」。思い込みにとらわれず、まず着手してみようというエールに聞き入ったゲーム開発者達は大きく頷いていた。