中国の「電子ごみ」1164万トン 急速な増加スピードに処理が追いつかず (2/2ページ)

廃棄された電気・電子機器から電子部品を取り出して仕分ける作業(中国新聞社)
廃棄された電気・電子機器から電子部品を取り出して仕分ける作業(中国新聞社)【拡大】

 一方、非正規の零細企業や闇工場に、構造が複雑で種類も多い電気・電子機器を適切に処理するだけの能力はない。このことは環境汚染や健康被害の進行、さらには有用な資源の流出を意味する。中国物資再生協会の劉強曽常務副会長は「中国では電子ごみのリサイクルシステムが整備されておらず、国民の環境保護に対する意識も低い」として、リサイクルシステムの構築と同時に、国民の意識向上を促す宣伝や教育を強化し、相乗効果を図らねばならないと主張する。

 縦割りで責任者不在

 とはいえ、秩序だった電子ごみのリサイクルシステム構築や国民の意識向上には、まず関連法規の整備が必要だ。特に価値の低いリサイクル対象品目については回収を促すような管理システムが構築されておらず、関連する法規も整備が進んでいない。

 行政がリサイクル資源の管理条例を公布しても、複数の関連部門が縦割りで管理するため管理の主体がはっきりせず、効果的な取り締まりができていないうえ、個々のリサイクル品目に対する個別の法規も不十分、というのが現状だ。

 こうした状況を受け、政府も動き始めた。「循環経済促進法」の改正が第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の立法計画に組み込まれた。全人代環境資源保護委員会法案室の穆治霖処長によると、その改正の重点となっているのが、電子ごみを含む資源のリサイクルシステム構築だという。もちろん、システムを構築しても電子ごみが正規のリサイクル業者の手に渡らなければ意味はない。最終的に重要となってくるのは、やはり国民の環境保護意識だ。

 北京天龍天天潔再生資源回収利用の劉権総経理は「電子ごみ問題の解決は、消費者一人一人の行動にかかっている」と話す。中国の電子ごみへの取り組みはまだ始まったばかりだ。(経済日報=中国新聞社)