ゾロアスター教板絵を世界初発見、正倉院楽器と類似か (2/2ページ)

ウズベキスタンで出土したゾロアスター教関連の板絵。最上段に女神、下段にハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊が浮き彫りされている(帝塚山大提供)
ウズベキスタンで出土したゾロアスター教関連の板絵。最上段に女神、下段にハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊が浮き彫りされている(帝塚山大提供)【拡大】

 板絵は9月、ウズベキスタン考古学研究所との共同調査で玉座付近から出土。周辺の火災層や出土貨幣から、710年にイスラム勢力に攻められた際に焼け落ちたとみられる。 帝塚山大の宇野隆夫教授は「サマルカンド周辺は東西、南北シルクロードの十字路で、各地の文化が融合し、新たな文化が生まれる場だった。板絵は、日本への伝来ルート復元の大きな手掛かりになる」と話した。

     

 ■ゾロアスター教 開祖はザラスシュトラ。善悪二元論を特徴とし、火を尊ぶため「拝火教」とも呼ばれる。古代ペルシャで支配的な宗教となり、ササン朝ペルシャでも国教とされ、ユダヤ教やキリスト教の成立にも影響を及ぼした。7世紀後半のイスラム勢力の台頭によって衰退し、現在はインドなどに少数の信者がいる。