【視点】気候変動への「適応策」好事例 注目集める治水システム「田んぼダム」 (3/3ページ)

 そうした実害を、さまざまな工夫によって回避したり、最小化したりしようとするのが、適応策の考えだ。

 適応能力の拡充は、パリ協定においても締約国に求められている要件だ。

 日本で増加傾向にある集中豪雨による被害を軽減するための田んぼダムは、適応策の好事例だ。即効性の魅力が大きい。

 水田と治水に関わる田んぼダムのさらなる普及には、農林水産省と国土交通省の連携が不可欠だ。上流側農家の参画意欲を促進する国や自治体の努力も欠かせない。

 日本の水田面積は250万ヘクタール。その潜在力を活用しない手はないだろう。