最大野党「解党」で総選挙か 混迷深めるカンボジア政治 (2/3ページ)

カンボジアのフン・セン首相(AP)
カンボジアのフン・セン首相(AP)【拡大】

 与党側は、救国党が解党された場合、国民議会の野党55議席を、13年の選挙に参加した他党に振り分けるとしている。「複数政党制」は維持されることになるが、人民党と救国党以外の党の得票率は、合わせても1割に満たない。形ばかりの複数政党制となるのは明らかだ。

 ソカー党首逮捕と前後して、フン・セン政権はカンボジア国内の親米勢力への抑圧を強めてきた。政権は、9月までに、米国政府系非政府組織(NGO)やラジオ放送を撤退や閉鎖に追い込んだ。

 また、米誌ニューズウィークの東京支局長も務めたバーナード・クリッシャー氏が創設した老舗英字紙「カンボジア・デイリー」に6億円以上の追徴課税を命令し、同紙は9月4日に廃刊の道を選んだ。

 これに対し、米国政府も強硬姿勢を示した。11月7日付のプノンペン・ポストによると、米政府は、地雷・不発弾除去を担うカンボジアの政府機関「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」への来年度の援助を中断。200万ドル(約2億2600万円)に上るとみられる米政府援助は、ノルウェーのNGOを通してCMACに供与され、主にカンボジア東部の地雷・不発弾除去に活用されてきた。米側はコメントをしていないが、ノルウェーのNGO関係者は同紙に「米国側からは理由の説明はなかった。非常に急なことで困っている」と語った。

 また、11月9日には米上院のテッド・クルーズ議員が「このままでは米国とわが同盟国は、カンボジアの総選挙の正当性を認めることはできない」との声明を発表した。

 ◆中国の代理人

 現地紙によると、フン・セン首相は翌日の演説でこの声明に触れ「複数政党制の選挙を通常どおり実施する。他国に『選挙の正当性を認めない』と脅されるいわれはない」と述べた。別の演説で、米国を名指しはしないものの「民主国家を名乗る国が、カンボジアの民主主義を破壊しに来る」とも述べている。