【寄稿】COP23 小島しょ国・フィジーが考え抜いた戦略を駆使 (4/5ページ)

ドイツ・ボンで開かれた気候変動枠組み条約第23回締約国会議(共同)
ドイツ・ボンで開かれた気候変動枠組み条約第23回締約国会議(共同)【拡大】

 さらに小島しょ国の要請で、2018年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から、気温上昇を1.5℃未満に抑えることについて科学的研究報告書が出されることになっています。この1.5℃特別報告書の科学的な示唆を受けて、各国は目標の見直しを考えていくことになります。

 このように、国連交渉で影響力の小さい小島しょ国が、さまざまな戦略を駆使し、パリ協定をより野心的な取り組みにするべく努力してきた集大成として、フィジーはCOP23の議長国として良い結果をまとめようとしたのです。

 ■“離脱宣言”米国の今後

 COP23は、トランプ米大統領が今年6月にパリ協定からの離脱を宣言して初めて開かれるCOPでしたので、米国の動向にも関心が集まりました。離脱によってパリ協定が実効性を失ってしまうのではないか、といった声も聞かれますが、協定はすでに発効しているため、締約国である米国は、3年間は離脱できません。しかも離脱を通告後1年後にしか脱退できないので、トランプ大統領の少なくとも第1期任期期間の4年間は離脱できないのです。

 その米国は引き続きCOPに参加し、パリ協定のルールづくりに関与すると言っています。米国では4年後に大統領選挙がありますので、次の大統領次第で方針が変わることもあるでしょう。米国でも、ハリケーンや乾燥による山火事などで大きな被害が出ています。気候変動問題を無視し続けることは、どの国にとっても賢明な選択ではありません。

 結局、米国と内戦状態のシリアを除き、ほとんど全ての国々はパリ協定の実施に向けて真摯にCOPに参加しています。この連載はCOP23終了前に書いていますので、いい結果を期待したいと思います。議長国となるまでに努力したフィジー・小島しょ国連合の願いが大きくかなえられることを祈っています。