【生かせ!知財ビジネス】TTDC・佐々木剛史専務に聞く


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 ■IPセンターで機能補強

 トヨタテクニカルディベロップメント(TTDC、愛知県豊田市)は、トヨタ自動車の100%出資子会社で2大事業の一つを担うIP(知的財産)事業本部は総勢約200人という世界最大規模の知財専業組織だ。トヨタ自動車とグループ会社、関連会社を対象に知財戦略を支援している。同本部担当の佐々木剛史専務に聞いた。

 --30年以上にわたり、知財部門に関わってきた

 「過去、知財部門の機能について自問自答し、どういう業績評価指標を持てばよいかを課題にしてきた。知財部門の活動は、知財を扱える人材がいて、発明を特許にできていれば、ちゃんとやっているといえる。だが、よりシビアな状況でその知財が自社製品などを守るのには実は脆弱(ぜいじゃく)なものだったとしても、ちゃんとした知財だから大丈夫と返事をしてしまうことが多いように思う」

 --知財のクオリティー評価はなかなか難しい

 「常に金銭換算できるものでもないが故に、大丈夫という返事ができてしまう。その意味で、知財を企業の競争力に資するようにしていく機能を強化したい」

 --易しく言うと、どういう点を強化するのか

 「大きく2つある。知財とは情報戦だ。特許情報に技術文献情報などを併せて分析し、(知財戦略について)さまざまな状況や方向性が見えるようにすること。その上で、企業で生まれた発明を付加価値の高い世界で戦える権利にする手伝いをすることだ。発明を五月人形に例えれば、よろいかぶとを紙製にするか、チタン合金製にするか。TTDCなら同じ発明でもチタン合金で武装させることができると顧客に話している」

 --グループ・関連各社にも知財部門はある

 「そうだ。知財機能は非常に重要な経営機能で、まずTTDCへ任せようとはならない。だが顧客が知財機能を活用できているかといえば十分でない面もあり、私たちが補強できるところがある。このため各社間の真ん中のポジションにTTDCを置いてニュートラルな観点で手伝いをする“IPセンター構想”を進めている。IPセンターがあれば、顧客もマネジメントしやすくなると思う。今後サポートできることをいろいろ提案し、提供する中で、このビジネスをグループ・関連各社へ緩やかに広げていければと考えている」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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【プロフィル】佐々木剛史

 ささき・たけし 1980年トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。トヨタ欧州技術開発センター副社長、トヨタ自動車知的財産部部長、TTDC常務理事などを経て現職。60歳。長野県出身。