枯死した?天然記念物のブドウハゼ 高校生が原木発見 和歌山県は再指定目指す 和ろうそく原料 (2/2ページ)

ブドウハゼの研究を行うりら創造芸術高校の生徒ら=和歌山県紀美野町
ブドウハゼの研究を行うりら創造芸術高校の生徒ら=和歌山県紀美野町【拡大】

  • ブドウハゼの原木とみられる木。地元の高校生らが発見した=和歌山県紀美野町

 ハゼノキの実から抽出される櫨蝋(はぜろう)は、和ろうそくのほか、力士が髷(まげ)を結うときの鬢(びん)付け油やハンドクリーム、ワックス剤などに使われている。中でも江戸時代に九州から持ち込まれたハゼノキが同町で突然変異したとされるブドウハゼは色味が良く、ススが出にくい良質のろうがとれるといわれる優良品種。かつては県の主要産業の一つだった。

 同課によると、天然記念物の一斉見直しがあった昭和33年、樹勢が衰えていたブドウハゼの原木は再申請が行われなかった。またハゼノキの主要品種は4、5種類あるというが、平成3年、長崎県の雲仙・普賢岳噴火の被害で、昭和福櫨の原木が焼失したことで原木はすべて焼失したとされていた。

 櫨文化協会(福岡県久留米市)の矢野眞由美会長も「原木が残っていたのは奇跡的。櫨蝋は日本にしかなく、地域の宝として守られる活動を進めてほしい」と話している。(福井亜加梨)