香港、2年連続で長寿1位 医食同源・高度医療に注目

漢方茶を販売するドリンクスタンド(共同)
漢方茶を販売するドリンクスタンド(共同)【拡大】

 香港が2年連続で男女ともに平均寿命世界一となり、注目を集めている。日本の厚生労働省によると、香港の2016年の平均寿命は女性が87.34歳、男性が81.32歳で、世界有数の長寿国である日本も及ばなかった。専門家らは医食同源の食生活や医療水準の高さを理由に挙げる。

 香港の大方のお年寄りの一日は、公園での軽い運動に始まる。一汗流した後は、行きつけの店で仲間とともに飲茶とおしゃべりを楽しむ。「雨が降っても風が吹いても、この習慣は変わらないよ。よく歩き、濃いプーアル茶を飲み、何でも食べる」。福祉施設で無料の血圧測定を受けていた80代の潘礼開さんは張りのある声で話す。

 「香港人にはスープと漢方茶が欠かせない」と語るのは70代の張淑妹さん。子供が幼かった頃は、季節に合わせた漢方入りのスープを毎日2~3時間かけて煮込み、飲ませていたという。香港には漢方茶専門のドリンクスタンドのほか、漢方医の診療所が至る所にある。冷たい物を口にしない、旬の物を食べる、茶を飲むなど、医食同源の考え方が生活に根付いている。

 高齢者医療に詳しい●達明医師は「金や保険の有無に関係なく、西側諸国と同じ高水準の医療が受けられる」ことを長寿の理由の一つに挙げる。香港は00年末まで公的年金制度がなかったため、高齢者の生活支援には課題も多い。だが医療に関しては、住民IDカード保持者は公立病院の一般・専門外来を50~135香港ドル(約700~約1900円)で受診でき、75歳以上の低資産者は基本医療費が無料。65歳以上の住民には、年間2000香港ドルの医療チケットも配布される。

 香港人はお年寄りを敬い、家族の絆が強い。狭い土地に多くの人が暮らす人口過密都市だが、家族の行き来には便利で、週末に一家で飲茶を楽しむ光景もよく見られる。「香港は狭いから、別居していても親の元にいつでも駆け付けられるし、親孝行もできる」と会社員男性。お年寄りも友人に頻繁に会いに行くことができ、孤独を感じることも少ないという。(香港 共同)

●=全の王が示