トランプ米大統領就任1年 メディアとの関係は過去最悪 中間選挙へ深まる対立 (1/5ページ)

ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)
ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)【拡大】

 トランプ米大統領は20日で就任1年を迎える。目立つのは、過去最悪と評されるメディアとの対立だ。主要メディアを「国民の敵」と位置付けて執拗(しつよう)に攻撃するトランプ氏に対し、報道機関は政権の弱みを突くスクープで対抗。共和党政権への審判が下される11月の中間選挙を控え、対立はさらに深まりそうだ。

 トランプ氏のメディア攻撃の主な手段はツイッター。フォロワーは4600万人を超える。「フェイク(偽)ニュース」とやゆされるのはCNN、ニューヨーク・タイムズ紙など政権に手厳しいリベラル系メディアだ。

 大統領就任前からトランプ氏を知る関係者は「不動産王だった時代に自分をもてはやしたメディアが、厄介な存在になったことに憤っている」と解説する。

 メディアを「エリート層の手先」とやり玉に挙げることで、既存の社会体制に不満を募らせてきた支持層に訴える狙いも見え隠れする。

 メディア敵視は中傷にとどまらない。自身とティラーソン国務長官の不和を報じたNBCテレビの放送免許取り消しに言及するなど、気に入らないメディアには経営への介入もちらつかせる。政権寄りのFOXニュースや右派メディアがトランプ氏を擁護する構図も定着しつつあり「旧共産圏の情報統制のようだ」との声も上がる。

メディアの勇み足も目立つ