平昌五輪 学校や企業、PV自粛相次ぐ JOC「宣伝」懸念、成績公表にも制限


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 9日に開幕する平昌五輪で、競技の中継映像を大型スクリーンで公開し大勢で応援する日本でのパブリックビューイング(PV)について、選手が所属する学校や企業が五輪の宣伝規制への抵触を恐れ、相次いで自粛を決めたことが7日、分かった。2020年東京五輪・パラリンピックに影響することもあり、大会組織委員会や日本オリンピック委員会(JOC)などが協議。同日夜、自治体・スポンサーの主催を除き、企業や学校の主催でのPVは原則認めないとする方針を確認した。

 JOCなどによると、五輪の名称や標章は契約金を払ったスポンサーしか使用できない。五輪の知的財産を保護するためで、スポンサー以外の企業や団体は所属選手の五輪での成績公表すら許されていない。

 関係者によると、平昌五輪での選手の壮行会や激励会について、JOCがメディアに非公開とするよう要請。PVの場合、自治体が主催すれば、放送権を持つテレビ局の許可を条件に一般やメディアに公開できる。しかし、企業や団体では五輪を利用した商業的な「宣伝」につながることをJOC側が懸念。過去にPVが行われたのは、規制の解釈が浸透していなかったからという。

 スノーボードの戸塚優斗(ゆうと)(16)が在籍する光明学園相模原高校(相模原市)は、生徒らに限定し中継映像を見る催しに変更。同校は「せっかくの機会だったのに」と残念がる。アイスホッケーの床秦留可(はるか)(20)が在籍する法政大(東京都千代田区)は壮行会を計画したが、当日に急遽(きゅうきょ)メディアを閉め出した。PVも開かないという。

 

 9日開幕の平昌五輪は、冬季五輪で過去最多となる92カ国・地域の選手約2920人が参加。8日にはカーリングの新種目、混合ダブルスで競技が始まり、夜にはノルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒルの予選が実施される。