
金メダル大本命として臨んだレースで勝ちきった小平。日の丸を手に声援に応えた(撮影・松永渉平)【拡大】
言いがかりのようだが、韓国の五輪組織委が日本に対して嫌がらせをしていると捉える人がいたのだ。この反応に対し、エアウィーヴの現地対応スタッフ・宮島佑依氏はこう説明する。
「選手村はすべて同じベッドなので、ネットの“日本選手団に対して嫌がらせをした”ということはありません。アスリートは微妙な違いであっても違和感を覚えますので、私達はこうした追加対応を取りました。元々JOCの先行隊が現地入りした時、選手村のベッドの硬さに気付き、後発隊に向け当社のマットレスを活用するように、というお触れを出しました」
現地を訪れて五輪観戦をした30代の日本人女性も「私達が泊まった普通のクラスのホテルもベッドが硬かったです。韓国の方は硬いベッドの方が好きなのかもしれませんね」と語った。実際同社はスイスのアイスホッケー代表チームからもマットレスの提供依頼を受けていた。「韓国による日本代表への嫌がらせ」というネットの書き込みは的外れと言えるだろう。
そんな憶測などつゆ知らず、見事な走りを見せた小平。選手本人の努力に加え、彼らをサポートするコーチやスポンサー。こうした人々が真剣に取り組んだ結果が小平の金メダルだ。「下衆の勘繰り」はスポーツにおいてあまり持ち込まない方が、スポーツの見方としては成熟した態度だろう。