ローカリゼーションマップ

認識のグレーゾーンを探す 世界の文字で「遊ぶ」前澤知美さん (2/3ページ)

安西洋之

 前澤さんが、このような遊びに耽るのはいつからなのだろう。

 彼女は武蔵野美大を卒業した後、ロンドンのセントラル・セント・マーティンズで修士を終えた。それからイタリアのベネトングループのコミュニケーションリサーチセンター・ファブリカで活動。その後、日本のデザインファーム・タクラムで仕事をしてまた英国に向かった。

 「ロンドンの修士課程にいた頃から、アルファベットのAは山は一息とするから2画、Bは3画とか考えはじめたのですよね。そうするとシンプルながら似たようなカタチが線の長さや点によって、関係図に見えたり文字に見えたりするのです」(前澤さん)

 「認識のグレーゾーンを探す」という表現を彼女は使う。この遊びで異なった文化が分かるというより、いろいろな文化にある共通点に気づいていける、と感じている。

 日本語もアラビア語も文章を右から書いていくが、文字のパターンも両者には共通点が多いのではないかと思う。

 日本の街や書物にアルファベットが溢れかえっている。特に自動車の名前など日本語を探す方が難しいくらいだ。

 この現象はかつて西洋文化への劣等感の裏返しと批判されることが多かった。しかし、英国の日本文化とは全く関係のない音楽グループの英国でのコンサートチケットにカタカナが使われたりする。彼らに日本文化コンプレックスがあるとも思えない。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus