社会・その他

言い古されているが解決されない問題 なぜ日本人FWはシュートを打たないのか (3/4ページ)

 ストリートサッカーで身につくメンタル

 スペイン人と日本人の根本的なモラルの違いは、すぐ目にとまる。

 昨年の秋、スペインの広場での話だ。年端のいかない、7~8歳の男の子たちがゴム製のサッカーボールを蹴っていた。脇にオープンテラスがあって人通りも激しく、通りには車が通る。そこで、子供たちは逡巡なくシュートを放つ。もしテラスにボールを打ち込めば、テーブルの上をひっくり返すことになる。おばあさんの頭に当たれば、あるいは走っている車に当たれば、事故になる可能性も捨てきれない。

 にもかかわらず、子供たちは渾身の力を込めてボールを蹴る。そこに躊躇(ちゅうちょ)がない。彼らは空気を読むなんてメンタルはないのだ。

 ただ、同行していたスペイン人指導者はこう言った。

 「子供たちなりに計算はあるんだよ。周りを見て、最悪の事態にはならないことをできる限り回避している。むやみに脚を振っているわけじゃない。独特の緊張感の中で、無意識にスキルや度胸を身につけている。リスクをかけて勝負する感覚が、われわれは好きなんだ」

 味方や敵との呼吸を身につける。そこでゴールをできる子どもは、ストライカーとしての資質があるのだという。

 実はラウールも、ストリートサッカーをしている姿を見かけられ、スカウトされている。ぎらついた目でにらみ、才能が光っていたという。それは、見る人が見れば一目で見抜ける。

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