【生かせ!知財ビジネス】資金調達で新たな仕組み構想中


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 ■知財ビジネスリンク・橘祐史社長に聞く

 経営コンサルティングの一環として中小・ベンチャー企業を対象に知財をベースとした経営指導を行う、知財ビジネスリンク(東京都世田谷区)。大手企業の事業部門出身で、特許事務所も経営する橘祐史社長に聞いた。

 --どのような分野の知財相談に対応しているのか

 「バリュエーション(価値評価)、経営コンサルティング、ビジネスマッチングなど。費用は価値評価が10万円から、コンサルティングを加えて50万円からだ」

 --価値評価とは

 「特許技術は保有者によって価値が変わる。財務諸表に計上するような(絶対的)金銭評価ではなく、企業の内部管理指標となるようなアウトプットに努めている。例えば、特許技術の市場評価を加味して投資効果を計算することで、設備投資時の判断材料を提供している」

 --経営コンサルティングの特徴は

 「事業現状分析、経営リソース分析、ゴール設定などを行った上で、経営課題の設定と成功へのストーリー作りを行い、具体策を提案する。実施前と後の経営マネジメント項目の変化予測をレーダーチャートで示すなど、経営者には一覧性ある資料を作成し、分かりやすい説明を心がけている。基本的アプローチとしては、対象企業にヒアリングした上で、特許データベースや市場関連データベースなどの客観情報を活用している」

 --中小企業は特許よりノウハウ化された技術も多い

 「当然、ノウハウも扱う。秘匿化する部分と公にする部分を考え、ビジネスモデルをどう構えるかを話し合いながら、価値評価やコンサルティングを行う」

 --ビジネスマッチングは

 「大手の特許を中小へライセンスする特許流通や、特許の証券化スキームを用いた事業化活動が過去、各方面で行われてきたが、成功したとはいえない。知財を使ったビジネスマッチングはわが社のテーマの一つだ」

 --具体的には何を

 「知財を活用した資金調達市場の構築を構想中だ。金融の専門家などと協力し、海外でも通用する新たなビジネスモデルの確立を検討している。米国や中国など、海外では知財ビジネスの専門会社や専門機関が立ち上がっている。日本発の初めての仕組み作りを目指したい」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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【プロフィル】橘祐史

 たちばな・ゆうし 東大法卒。1980年旭化成入社、経営企画部などを経て、2010年にNAV国際特許商標事務所を、14年に知財ビジネスリンクを設立、現職。MBA(経営学修士)。弁理士。61歳。福岡県出身。