【地球を掴め国土を守れ】技研製作所の51年(8)工法採用の背景に「想定津波高34メートル」の切迫感 (2/2ページ)

高知県内各地に建設が進む避難タワー。堤防強化と合わせて南海トラフ地震対策の要だ
高知県内各地に建設が進む避難タワー。堤防強化と合わせて南海トラフ地震対策の要だ【拡大】

 このため、国や県などは津波から人命を守る戦略として、地震発生とともに避難を開始する避難計画の充実や、避難タワー・ビルの整備に取り組む。実際、高知県内での避難タワーの整備は100基に達し、全国でトップクラス。南海トラフ地震の想定津波高が34メートルの黒潮町は、世帯ごとの避難計画を作るなど先進的な取り組みで注目を浴びる。

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 とはいえ、やはり、堤防強化は最優先課題だ。

 高知県も、国交省も「南海トラフ地震の発生が懸念される状況では、まず現在の堤防を生かし、高知市など都市機能が集中する場所を守ることなど課題をひとつずつクリアしていくほかない」と、早急なハード整備の必要性を異口同音に語る。

 国のガイドライン公表に先立つ高知でのインプラント工法採用の背景には、そうした切迫感があったといえる。

 首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男氏が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。