民間宇宙開発へ初の知財戦略 政府、年度内に検討組織

 政府は、民間の宇宙開発ビジネスが世界で活発化している現状を踏まえ、日本の関連企業の海外進出を促す知的財産戦略を初めて策定する方針を固めた。企業や研究機関が持つ最先端技術について、米欧を中心に海外での円滑な特許取得を可能とする方策などを明記。2018年度に有識者を交えた検討組織を設置し、19年度に公表する。

 国内企業が海外で事業展開しやすくするほか、他国企業に技術を模倣され、損害を受ける事態を避ける狙いがある。

 政府は、宇宙開発ビジネスを有望な成長分野と位置付け、ベンチャーを含む国内の関連企業への支援を強化している。ただ関係者によると、日本企業の特許への意識は欧米と比べ不十分とされ、海外での出願は少ない。国内ですら海外勢に押され気味という。

 政府はこの状況を放置すれば、宇宙開発をめぐる激しい国際競争を勝ち抜けないと懸念。海外進出した日本企業が特許侵害で訴えられるといったトラブルを避けるため、海外の宇宙関連企業がどんな特許を持っているか正確に把握してもらう必要があると判断した。

 想定される戦略の内容としては米欧や、人工衛星の活用などに関心を持つ新興国で積極的に特許を出願する重要性を強調。自社の不利益となる特許の出願が行われた場合、異議申し立てや訴訟で対抗する選択肢もあると紹介する方向だ。

 小規模な国内企業などが海外企業の特許取得状況を調べることは困難なため、政府などが情報提供する仕組みをつくる必要性も議論するとみられる。