名大、「短期間での化石化」を解明 放射性廃棄物処分場などに応用も

宮崎県日南市で見つかった直径1.1メートルのコンクリーション。右は名古屋大の吉田英一教授=2017年(同教授提供)
宮崎県日南市で見つかった直径1.1メートルのコンクリーション。右は名古屋大の吉田英一教授=2017年(同教授提供)【拡大】

  • 愛知県で発見された、スナモグリの化石を含むコンクリーション(吉田英一・名古屋大教授提供)

 海底に沈んだ生物の死骸を覆って化石化させる球状の岩の塊が、従来考えられていたよりもはるかに短期間に形成され、直径約1メートルのものでも数年でできるとの解析結果を、名古屋大の吉田英一教授(環境地質学)のグループが英科学誌電子版に発表した。

 この塊は非常に堅くて水を通さず、内部が変質しないため、覆われた死骸は中で化石化するという。従来は数十万~数百万年かけてできると考えられていた。吉田教授は「同様の塊を人工的に作ることができれば、放射性廃棄物処分場などの頑丈な地下施設やトンネル建設への応用が期待できる」としている。

 塊は「コンクリーション」と呼ばれ、海底で死骸が腐敗する際にしみ出す酸が海水中のカルシウムと反応して炭酸カルシウムになり、周囲の泥などを巻き込み形成されると考えられている。

 グループは2015年、富山県で発見されたツノガイという貝の化石を覆っていた直径2~3センチのコンクリーションの分析から、炭酸カルシウムの層が1週間ほどで約2ミリ形成されることを確認。

 今回は、英国で見つかった1億2000万年前のアンモナイトや、愛知県で発見された1600万年前のスナモグリというヤドカリの仲間の化石などを含む約1センチ~1.8メートルのコンクリーション100個以上を割って調べた。コンクリーションの大きさや、酸とカルシウムの分布状況から計算した結果、平均で1年に直径が約20センチ大きくなることが分かったという。