【高論卓説】後絶たぬ高齢ドライバー事故 万能でない認知症検査 運転やめる勇気も (2/2ページ)

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 経済産業省は高齢ドライバーの交通事故防止対策の一環として、17年4月に自動ブレーキやペダル踏み間違い時の加速抑制装置などを搭載した車に「サポカーS」の愛称をつけ、普及啓発に取り組んでいる。歩行者に対してぶつかりそうになったときにブレーキが作動するのはより上級の「サポカーS・ワイド」である。

 国土交通省も高齢者の交通事故対策として、18年4月から「自動ブレーキ認定制度」を開始した。衝突時の被害を軽減できる自動ブレーキに求められる性能を評価、認定する制度である。今回の認定制度では人に対するブレーキ性能は対象になっていない。茅ケ崎の事故を見ると、歩行者を対象にした自動ブレーキの認定制度も必要だろう。

 こういった自動ブレーキ関係の機能は後付けできないので、車両を買い替える必要がある。機能自体も万能というわけではない。免許更新がスムーズにできてしまえば、運転能力に対する一種の「お墨付き」をもらったように考えてしまうこともありそうだ。

 後付けの機能では、高齢ドライバーが自己の運転技能を客観的に判断するのにドライブレコーダーを活用するのが良いだろう。ドライブレコーダーには、前方車間距離、車線維持、急ブレーキ、急ハンドルなどの警報や運転を評価する機能を備えたものもある。記録動画を本人が見れば、現在の運転技能を客観評価することもできる。

 高齢ドライバーは毎年増えていく。事故を少しでも減らすために社会全体でサポートするのはもちろんだが、高齢ドライバー自身も技能の衰えを感じたら、運転をやめる勇気を持つことが必要だろう。

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【プロフィル】森山博之

 もりやま・ひろゆき 旭リサーチセンター、遼寧中旭智業研究員。早大卒後、旭化成工業(現旭化成)入社。広報室、北京事務所長などを経て2014年より現職。60歳。大阪府出身。