
ETC不正利用のイメージ【拡大】
同制度は身体障害者が登録した車を自ら運転するか、重度の障害者を乗せて別の人が運転する際、高速道路料金が半額になる。男は制度を悪用しようと、仕事で使うレッカー車に車載器を移設。登録したETCカードで過去5年間、阪神高速道路を2400回以上も不正通行した。不正に免れた正規料金は約130万円以上にのぼった。
料金改正で発覚
県警の調べに対し、男は「安い料金で通行したかった」などと身勝手な理由を供述した。
なぜ、不正は5年以上も発覚しなかったのか。
阪神高速の料金は昨年5月末まで「普通車」と「大型車」の2つに区分されていたが、男のレッカー車は中型車。料金区分上は普通車に含まれ、車載器を移し替えて登録カードを使えば自動的に割引が適用された。事故を起こして警察沙汰にでもならない限り、不正を見つける手立てがなかったのだ。
ところが、同社は同6月に料金区分を改正し、中型車と普通車を分離した。男はこれまで通りレッカー車でETCレーンを通行したが、レーンの機器が車種を判別できず、エラーが生じたことで不正が発覚した。