実際には200人ほどの参加者で大当たりは1人も出なかった。その後に詳しく調べたところ、番号を50回コールするうちに25マスが空く確率は天文学的に低く、何千回、何万回繰り返してもまず当たりそうにない。
そんなゲームを、例えば国内のショッピングセンターの催事場で毎日開催すれば、苦情が殺到しかねない。しかしクルーズ船の乗客は嫌な顔をせず、明るい雰囲気のまま散会となった。ビンゴに外れた子供たちも、相変わらず楽しそうに走り回っていた。
生活圏から離れた場所
旅行とギャンブルの相性の良さを考察してみた。
観光客は娯楽にお金を使う意欲が旺盛で、財布のヒモは緩い。普段は百円のカプセルトイすらもったいなく感じる親たちが、クルーズ船では2000円のビンゴカードを気前よく子供に買い与えていた。
また、旅行中のギャンブルは、楽しい時間を過ごす手段として受け入れやすい。クルーズ船ではビンゴゲームがショーの延長のような形式で開かれ、多くの人は暇つぶしに参加していた。船内のカジノも、旅行中の暇つぶしという側面が強い。
自分の生活圏から遠く離れた場所でのギャンブルは、依存症になりにくいという側面もある。パチンコや競馬・競艇・競輪のように、生活圏内に賭場があれば毎日のように通いかねないが、旅行中やクルーズ船内のギャンブルはそう何度も繰り返せない。
ラスベガスやマカオ、シンガポールで、カジノを含むIRが一大産業として成立しているのは、旅行とギャンブルの相性の良さがビジネスモデルの根幹にあるからだろう。