「テックビューロ」被害の流出仮想通貨、3万件に分散 追跡をかわし現金化が目的か (1/3ページ)


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 仮想通貨交換業者「テックビューロ」(大阪)から仮想通貨が流出した問題で、流出分の半数以上が3万件超の送金先に分散されたことが、筑波大の面(おもて)和成准教授らの調査で分かった。1月の「コインチェック」(東京)からの流出に比べて分散の規模が大きいとされ、不正アクセスの攻撃者が追跡を困難にして現金化する狙いがあるとみられる。資金洗浄(マネーロンダリング)を図る手口の詳細が判明し、仮想通貨をめぐるリスクがさらに鮮明になった。

 テックビューロ運営の仮想通貨交換サイト「Zaif(ザイフ)」に不正アクセスがあったのは9月14日で、約70億円分の「ビットコイン」など3種類が流出した。

 仮想通貨流出を研究、調査する面准教授らのチームはインターネット上の仮想通貨取引で口座のような役割を果たすアドレス(電子財布)について、公開されている取引記録を分析。3種類のうちビットコイン約43億円分は1つのアドレスに移された後、2つのアドレスに分けられ、15日から分散が活発化し、20日時点で分散先のアドレス数は3万件を超えたことが判明したという。

 テックビューロが異常を検知したのは17日、被害を確認したのは18日。面准教授は「検知に時間がかかったことは重大な問題。拡散が広がれば広がるほど、追跡は非常に難しくなる」と指摘する。

 その上で「仮想通貨を多数のアドレスに分散するのは、マネーロンダリングの手法の一つ。犯人の最大の目的は仮想通貨の現金化だろう」と分析する。

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