品質不正、日本メーカーに共通点 ガバナンスの欠如、コストダウンで現場負担の増加も (3/3ページ)

記者会見で謝罪するKYBの斎藤圭介取締役専務執行役員(右)とカヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、国交省
記者会見で謝罪するKYBの斎藤圭介取締役専務執行役員(右)とカヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、国交省【拡大】

 KYBは、連結売上高の約6割を自動車部品が占める。それに対し免震・制振オイルダンパー事業の割合は3%弱にすぎず07年には子会社のカヤバシステムマシナリー(東京都港区)へ事業譲渡されていた。子会社に移ったことで経営陣が目配りできなくなり、ガバナンスは機能不全に陥った。

 各社は情報開示でも後手に回っている。子会社でデータ改竄が発覚した東レの日覚昭広社長は「神鋼の問題がなければ不正を公表していなかった」とまで言い切った。

 危機管理広報コンサルティング会社、エイレックスの江良俊郎社長は「まったく甘い。企業向けビジネスが中心で、消費者のことを考えていない」と対応を厳しく批判する。

 ■製造業で最近1年間に発覚した品質データ改竄などの不正問題

 神戸製鋼所 アルミ・銅製品など

 三菱マテリアル シール材、銅製品など

 東レ タイヤ補強剤

 シチズン時計 LED部品

 宇部興産 ポリエチレン製品

 日本ガイシ 送電線の絶縁体

 日立化成 産業用鉛蓄電池

 日産自動車、SUBARU、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機 自動車・二輪車の燃費性能・排ガス成分

 クボタ 銅板生産設備の部品

 ※子会社など含む。神鋼の最初の公表は2017年10月8日