
検査データに不適切な書き換えがあったとして開いた記者会見で頭を下げる、油圧機器大手「KYB」の中島康輔社長(右)=16日午後、東京・霞が関の国交省(松本健吾撮影)【拡大】
責任者にとっては「現場の判断に委ねていた。第三者委員会の調査結果を待ち、これからは再発防止に努めたい」というのが毎度の定型句となっているが、実は大概の場合、これでは本当のことは明らかにならないのである。
第三者委員会は作っても良い。だが、記者会見の場に、もちろん実現にあたってはプライバシーへの配慮など留意すべき問題もあるが、当事者たる現場の従業員が出てくれば、より深い問題が分かるのだ。
たとえばこんなやり取りが交わされるかもしれない。
記者 なんでデータを改ざんしたのですか?
従業員 基準に適合しない数値が出たら、性能検査及び分解再調整に5時間もかかり、それをやっていると納期に間に合わないんです。本当に昨今の建設現場の予算締め付けと納期徹底の流れはマジ、ブラックっすよ! ウチは業界最大手ですが、ウチでさえこんな状態なのですから、他の会社も本当にキツいのではないでしょうか。
もちろん、これは憶測で書いてはいるものの、ひょっとすると今回の改ざんにはこうした事情もあるだろう。こんなやり取りになれば、建設業界における構造的な問題に対してもメスを入れることができたかもしれないのだ。
◆遠い話のように思える上層部の会見
さらにはこんな質問も現場の従業員には聞いてみたい。
記者 なんで、こんなに常態化していたのでしょうか。誰か諫める人はいなかったのですか?